何十本もの試合映像。
何千行にもなるスプレッドシート。
そのすべてが、“勝ちたい”という想いから生まれていました。
何度も試合動画を巻き戻して、ほんの少しのヒントを探し続けた4年間。
私たちASにしかできない形で、このチームの勝利に関われたこと、誇りに思っています。
日頃より学習院大学男子ラクロス部の活動にご支援、ご声援をいただいております、保護者の皆様、OBOGの皆様、学校関係者の皆様に、そして学習院大学男子ラクロス部に関わる全ての皆様にこの場を借りて感謝申し上げます。
今後とも、ご支援、ご声援の程宜しくお願い致します。
4年AS長の越智彩です。
引退を目の前にした今、その想いを少しだけ言葉にしてみようと思います。
拙い文章ですが、最後まで読んでくださると嬉しいです。
自分語りにはなってしまいますが、無難に自分の部活人生を振り返ってみたいと思います。
高校の友達に誘われて参加した一回のZoom新歓。
その場の雰囲気がすごく温かくて、”この人たちと一緒に部活をやりたい”と思ったのが、私のラクロス部との出会いでした。美琴さんと初めて話したの懐かしいです。
名前を覚えてくれて、声をかけてくれて。
新歓のときに感じたその嬉しさが、“こんな先輩になりたい”という気持ちにつながって、入部を決めました。
MG、TR、広報、そしてAS。
正直、最初はASの魅力がよく分かっていたわけじゃありません。
でも、なんとなく「地道な作業が自分には向いてるかも」という直感があって、データを扱うASを選びました。
なんとなくで選んだASだったけど、今ではこんなにも居心地の良い自分の居場所になるとは思ってもなかったです。
一年生の春。週5の朝練。
聞いてはいたけれど、想像の何倍もきつかった。生活リズムが崩れ、睡眠時間は減り、気づけば心も体もボロボロ。今まで文化部でぬくぬくやってきた私にとってはきつすぎる環境でした。
ASの作業量にもついていけず、練習中に集中力が持たない日もありました。
合格できないもどかしさ。
何度ビデオ見をしても正確にデータが取れない悔しさ。
もしかしたら私には向いていないのかもしれないと何度も思いました。
正直、あの頃は真面目な一年生ではありませんでした。上級生に迷惑ばっかりかけて本当に情けない後輩でした。
でも、それでもASを辞めなかったのは、
データを「見てもらえない」ことが、なぜかすごく悔しかったからです。
だから、一年生の時に思いつきで提案した練習後の全体提示。
それが今も文化として続いているのは、本当に嬉しいこと。あの小さな提案が、今のASにつながってると思うと、地道な努力にも意味があるんだなって、今なら思えます。
ASとしてのやりがいを初めて感じたのは、二年生の春。
一年目の終わりから、少しずつ自分でできることが増えていきました。
先輩が隣にいなくても、1人でボードを持ってデータを取れるようになり、ASとして一人前の大台に乗れた時期でした。
私が取った数字がスプレッドシートに反映され、それが集計されてチームのデータになる。
そのつながりを感じた瞬間に初めて「ASでよかった」と心から思いました。
ラクロスのスピード感にも慣れてきて、
ナイスプレーが出るたびに嬉しくなって。
気づけば、プレイヤーと一緒に「ナイシュー！」「ナイスゴーリー！」って声を出していました。
ASの魅力は、プレイヤーと同じ温度感でラクロスを楽しめることだと思います。
そしてプレイヤーが気づけないチームの強みや弱みに気づけること。それがASの存在意義であり、面白さでもあります。二年生になってやっと気づけた気がします。
二年生の夏。
同期スタッフみんなが“もう続けられないかも”って気持ちになっていました。
制度が厳しくなって、やる気のある一個下のスタッフがたくさん入ってきて。息苦しさも感じていたし、正直、私も心が折れそうな時期でした。
同期スタッフ4人揃って幹部に呼び出されて怒られたこともありました。
「やる気ないなら辞めていいよ」と言われてしまったあの日。
帰りの電車で同期スタッフ4人揃ってLINEで「やばいなんか涙出てきたしぬ」「こんなキャラじゃないのにほんまに、、」なんて話したのは良い思い出です。(ななだけ泣いてなかったけど)
でも、その涙はみんなが本気で頑張ってた証拠だったと思います。
そんな状況でも、私はなぜか“辞めたい”という選択肢が出てきませんでした。
ASの活動自体が楽しかったし、もっと分析できるようになりたい、もっとラクロスに関わりたい、と心の底から思っていました。
そんな気持ちにさせてくれたのは、先輩のりささん、ひかりさん、じゅんやさん。
3人がいつもASのことを真剣に考えていて、練習中でも「こんなデータ取ってみたら？」って話してる姿が本当にかっこよかった。
一年生の提案にも真剣に耳を傾けてくれて、採用してくれて。
ASって、後輩なんかの意見も聞いてくれる組織なんだって実感しました。
その環境が、私を“ASとしてもっと頑張りたい”と思わせてくれたんだと思います。
りささんとひかりさんが引退して、じゅんやさんと二人三脚でASを引っ張っていくことになった三年生。
「私なんかが上から2番目でいいのか」って不安もあったけど、じゅんやさんが言ってくれた“あやは同期みたいなもんだから”という言葉が、本当に心強かったです。
時に生意気に意見しちゃう時もあったけど、じゅんやさんはしっかり受け止めてくれました。
あと、朝の機嫌悪い率が高いじゅんやさんの機嫌取りで狩り出されたりもしたけど全部いい思い出です。
そんなことはいいとして、一緒にASを“変化し続ける組織”にしていこうとしてくれたじゅんやさんには、本当に感謝しています。
AS長として過ごしたこの一年。
私が意識していたのは「変化」と「基準」。
シュー練や1on1の提示方法を変えたり、6.6個人ショットや被BD・被パスカのデータを新しく取ったり。
チームのコンセプト「アグレッシブフルフィールドラクロス」に合わせてブレイクデータを取るなど、新しい試みをたくさん行いました。
一年生の頃、データを気にするプレイヤーなんてほとんどいなく、ASの存在意義が見出せない時期もありました。
でも今では、スタッツやランキングを自分から見てくれるプレイヤーが増えました。
試合後にスタッツを見ながら反省を出してくれるたくむ。
GBしたら誇らしげにアピールしてくるえいち。
練習中にパスカしたら「pc！pc！」って盛り上がるそうのすけ。
スコアかセーブか曖昧な時にスコアのシグナルでASにアピールしてくるせいた。
あとは、試合後に試合動画の画面録画とともにクレーム入れてくれる(?)えいちや本島やけんしん。
全部全部、嬉しかったです。
“見てもらえない悔しさ”を知っているからこそ、
“見てもらえる喜び”が何倍も大きかった。
それがこの一年、何よりのやりがいでした。
ここで少し後輩ASに伝えたいことを書きたいと思います。
ASは「基準」で成り立っている組織だと思っています。
データの合格基準を下げれば、数字の信憑性がなくなる。
提示する項目を減らせば、データの厚みがなくなる。
プレーヤーの発展でもよく聞く“基準を下げるな”という言葉。
それはASにも同じように当てはまります。
地道に、コツコツ、正確に。
その積み重ねが組織の信頼を生む。
それこそが、ASの強みです。
私たちは決して地味な組織なんかじゃない。
誰よりもチームのことを見て、考えて、支える、静かに闘志に燃える熱い組織。
それがASという存在だと思っています。
一年生の頃から目標にしてきた武蔵大学のAS。
そこに少し近づけた今、学習院のASは他大のASの参考にしてもらったり褒めてもらったりすることが増えました。
でも、まだ完璧じゃない。
もっと成長できるし、もっと良くなる。
戦術理解、提案力、発信力。
全部これからのAS組織に期待してます。
「基準を下げずに、でも変化を恐れない」
その姿勢を是非持ち続けて地道に活動していってほしいです。
地道なデータ蓄積作業が得意なみんななら、きっとどんな壁も乗り越えられるし、どんどん成長していけると思う。
だからこれからも、自分たちの仕事に誇りを持って続けていってほしいです。
最後に、4年間部活をやっていく中でお世話になった人たちにメッセージを送りたいと思います。
同期へ
うちの代はどこの大学のどの代よりも騒がしいしモラルがないけど、どの大学のどの代よりもラクロスに熱くて同期想いだよね。
ふざけながらも褒めるところは褒めて、注意するところは注意して。誰よりも勝ちに貪欲で自己成長のためには努力を怠らない同期。
みんなのことを本当に誇りに思います。
正直この同期じゃなかったら部活辞めてたと思うし、この同期だから部活続けたいと思えたよ。ありがとう。
(一人一人にお手紙書くので入れ替え戦後楽しみにしててください)
凜太郎へ
急に今までいなかったAS同期が増えて困惑したけど、一緒に頑張って来れたことを本当に嬉しく思うよ。
最後の一年、凜太郎がいたから後輩はもっとのびのび部活できたと思うから凜太郎はASにとって大事な存在だよ。後輩から育成されるなんて立場的にも複雑な気持ちになったと思うけど、頑張ってデータ練してくれてありがとう。
プレイヤー目線の意見を知ってるからこそ、有益な意見をいつも冷静に述べてくれて本当に助かった。
凜太郎のおかげでASは素敵な組織になったよ。最後笑って引退しよう。
美音里へ
美音里は静かに見えるけど実は芯があって、自分の意見をちゃんと持ってるし言える子だよね。今の二年生が入ってきた時は後輩に対して遠慮がちにならないか心配だったけど、ちゃんと(?)怒ったりしてくれてるみたいで頼もしいよ。美音里は組織に安定感を与える大事な存在だよ。後輩が多くて大変だと思うけどみおりなら大丈夫。(激おこ美音里を生で見れてないのだけ心残りです。)
未奈へ
未奈は誰よりもラクロスオタクで他大の情報いっぱい持ってていつも助かってたよ。ありがとう。未奈は2年生の時からセンスある子だなって思ってた。私があんまり上手く作れてなかったゴーリースカウティングをより細かくしてくれて2年生なのにすごいな、って陰ながら脅威に感じてたの知らなかったでしょ。
来年は未奈がちゃんと組織を引き締めてくれるんだろうなぁって勝手に期待してるよ。
二年生へ
いつまでもジェスチャーが面白くて馬が好きなこやたと私のこと舐めてるしずっと何言ってるかわかんないそら。
かわいい凸凹コンビだけどなんか収まりが良くて。2人がASを選んでくれたからASはより賑やかになったよ。賑やかになりすぎまであるかな笑
来年は3年生になるんだから未奈と美音里の支えになれるように頑張ってね。応援してます。
一年生へ
前代未聞のAS10人時代を実現してくれた代。
誰よりも合格に貪欲なきほ、陰で努力派つかぽん、みんなのお母さんゆいこ、入部してからずっと生意気なともひろ。
4人ともが癖強だけどなかよしで優秀で。本入式で日本一のASになるって宣言してくれたこと覚えてるよ。私は下級生の時に戦術理解を勉強してなくて今すごく後悔してるからみんなで勉強して本当に日本一のASになってね！
恭輝へ
尋常じゃない仕事量を捌き続けた我らが主将。スタッフのことも気にかけてくれたり、多方面へのフォローを忘れない優秀な主将であり誇らしい同期だよ。
衝突することも何回かあったけどちゃんと向き合ってくれて話し合ってくれてありがとう。(あの時はゆきたろう仲介役ありがとうね)今では大の仲良しだもんね。
部活辞めたい時が実は一回あったけど一年生の恭輝が真剣に引き止めてくれたから四年生まで続けられたよ。あの時相談乗ってくれてありがとう感謝してます。
理彩さん、日香理さん、絢哉さん
私を一人前に育成してくださった偉大な先輩方に感謝を伝えたいです。今のASの基盤を作ってくださり、生意気な私に優しく厳しく指導してくださり本当に本当にありがとうございました。先輩方のグラウンドでの働きぶりをいつも参考にしていたお陰で、少しはグラウンド内で動けるようになりました。入れ替え戦ではメインデータ間違えないように祈っててください。
(ゴーリー&ASのグル退会していいなんて言ってないので理彩さんと日香理さんはまた入ってくださいね。)
華楓へ
一年の頃から一緒にスタッフとして頑張ってきた唯一の同期スタッフ。
女子部の時は同じクラスになったことなかったし正直入部当初は華楓にビビってたけど、こんなに色んなこと話せて仲良くなれるとは思わなかったよ。(何より2人になるなんて思わなかったよ。)
2人で即目白脱出界隈したり、下級生の時怒られすぎて四年生になった今も何をするにもビクビクしたり、練習後スタバでたわいもない会話したり。楽しかったね。
華楓は誰よりも波瀾万丈な部活人生送ったスタッフとして後世まで語り継がれてほしい。後輩ちゃんたち、よろしくね。
引退まで残り少ないけどまた練習後スタバ行こうね。(じょうとかえいちからの忠告は受け付けてないからね)
まだまだ感謝を伝えたい人(中高からずっと部活一緒の働き者えりとか私のことずっと濃霧いじりしてくるまおとかずっと私の盗撮してくるうえだいとか…)がたくさんいますがキリがなさそうなのでここで一旦辞めておきます。
この4年間、ASとして活動できたこと、
そしてAS長としてチームを支えられたことを、心から誇りに思います。最高の4年間をありがとう。
数字の裏にあるのは、プレイヤーの努力であり、仲間の想い。
データを通してチームの成長を感じられたこと、そしてその一員でいられて幸せです。
勝利の瞬間、悔し涙の瞬間、
そのどれもを“数字”を通して見てきましたが、最後に残るのはデータじゃなくて、
一緒に笑って、一緒に泣いたみんなの顔です。
最後、一部行ってみんなで笑って終わろう。
長くなりましたが、最後まで読んでくださりありがとうございました。
4年AS長 越智彩
